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ある日の読書『山の音』

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山の音  川端康成


鎌倉在住の知人が今年、「公益財団法人川端康成記念会」の理事に就任しました。
就任になられた記念に、川端康成ものを一冊読んでみました。

川端康成は、没年まで鎌倉長谷に居住し、「山の音」はじめ、
多くの作品の中で、鎌倉を描きました。
日本初のノーベル文学賞受賞であり、初の鎌倉名誉市民です。

日本を代表する小説家ですが、ワタシはまともに「川端康成」を読んだ記憶がありません。
「雪国」や「伊豆の踊子」は、あまりに有名で、
読まなくてもある程度のストーリーは、誰もが知っているというものです。




「山の音」の主人公は62才の男性。

けっして良いとはいえない体調や、ときどき現れるもの忘れ。
かつての同僚や学生時代の同期の訃報も多く、
漠然と死への不安を抱えている。

長男夫婦と同居。
長女は子供を連れて出戻り、家族が7人となる。
お嫁さんの菊子さんを、娘よりもを可愛がっている。

戦後まもなくの話なので、今から6、70年前のことではあるけれど、
62才の「老人化」が、現代と比べて甚だしいのだ。
あのころの平均寿命は何才なのだろう。
すっかり終活気分の主人公である。

中盤まで「なんかつまんないな」と、なかなかページも進まなかったけれど、
次第に、じわじわ沁みてきます。
家族それぞれのいびつな心理描写が、面白くなってなってくるから、あら不思議。

ワタシごときを、読後に「う~む。」と唸らせることなど、
川端先生には、赤子の手をひねるようなものでしょうけれど。(笑)



この文庫を読むのに時間がかかったのは、文字の小ささもありました。

図書館で借りた新潮文庫は昭和55年に出版されたもので、
文字は小さいは行間は狭いは、紙は黄ばんでるはで、
今の文庫と比べると、けた外れに読みづらいのです。

ちょっと調べてみたのですが、

現在の新潮文庫が使用している文字は、
9.25ポイント。
文庫でも文字の小ささは気にならず、読みやすいですよね~。

昭和57年までは、8ポイントが標準で、
なんと90年前に至っては、7.5ポイントという小ささ。

先代の人たちは、それが「当たり前」とはいえ、
本を読むにも、一苦労だったと思うと、頭が下がりますね。



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黄ばんで、年代を感じる「山の音」

今書店に置いてる新潮文庫と比べてみると、その小ささにビックリしますよ (@_@)



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by ukico32744 | 2017-07-12 18:00 | ある日の読書 | Comments(10)
Commented by downhill50 at 2017-07-12 18:11
ukicoさん こんにちは。
読書の守備範囲の広さに敬服します。
一時、文字が見づらくなり読書離れをしましたが、老眼鏡を
作ったことで読書量が増えました。
確かに図書館で借りた本の小さい字にひるむことがあります。
お年頃の私たちにも優しい文字の大きさ、大歓迎ですね。
Commented by sakae2009 at 2017-07-12 21:07
私は本は読まない方です。
でも私も川端康成の雪国、伊豆の踊子は知っています。
小さい文字見づらくて嫌です。
やはり大きい文字が良いですね。
Commented by momoseke at 2017-07-13 06:02
そうなのね〜
川端康成の「山の音」
読んだことなかったわ
鎌倉が舞台なのね〜
もう昔の小説ってゆうの
すっかりご無沙汰してるかも
文字の小ささはわかる気がする。
絶対、私には無理かも

ところでうちのラマ
元気でござりまする^ ^
今日から土曜日まで
札幌と小樽に出張だす。
何故に今北海道?と聞いたら
「ほんなもんわからんわい」
だそうです。(笑)
Commented by ukico32744 at 2017-07-13 14:22
> downhillさん、
文学界巨匠の作品は、ワタシのテリトリー外なので、実は恐る恐る読んでみた、
という感じなのです。
結果、意外と楽しく読めたので「食わず嫌い」だったのかしら?(笑)
でも、スピード感ある現代小説が、やっぱり圧倒的に好きですねー。
6~7年前に作った近視のメガネ、運転のときはかけてます。
この歳にすると、目はいい方なのかもしれませんね(^-^)
Commented by ukico32744 at 2017-07-13 14:28
> sakaeさん、
読書って、習慣みたいなもので、何か読んでないと気が済まないのです。
新聞の字も大きくなって、読みやすくなりましたよね。
大きくなったときは、ちょっとした違和感ありましたけど、
今は大きい字、ウエルカムです。
Commented by ukico32744 at 2017-07-13 14:35
> モモセさん、
ラマさん、北海道にもう着地してますね~♪
北海道の暑い夏を楽しんでくださいませ!
てか、仕事でしたか💦
お仕事の後の「アフターサッポロ」(そんな言葉ないけどね 笑)
は「ジンギスカン&サッポロビール」かしら(^-^)
Commented by M at 2017-07-13 19:02 x
書き出しの鎌倉在住の知人が今年、「公益財団法人川端康成記念会」の理事に就任しました。
と言うところから、心が掴まれました!
川端康成、私も例に漏れず、雪国、伊豆の踊り子は読みました。
しかし、山の音は、知りませんでした。鎌倉が舞台なんですね。

鎌倉には、たくさんの作家さんが住まわれていますね。
私も鎌倉好きです。東京なら下町がいいです。実際に住んでました。
東京の町屋と言うところに6年住んでいました。
夏目漱石が住んでいた、千駄木や根津の隣なんです。
文豪が住んでいたとかゆかりのある土地は、興味がありますね。
Commented by ukico32744 at 2017-07-13 21:00
> Mさん、
blogを通じてお知り合いになったかたなのですが、理事になられたと聞いて、
川端康成を読むいい機会と思い、チャレンジしてみました。
こんなことでもなければ、きっと読むことはなかったでしょうネ。

ワタシも下町が好きです。
東京のオシャレな街には行きたいと思わないけれど、寅さんの柴又とか、には
一度行ってみたいな、と。。(笑)
あと、雑誌で観たのですが、谷中の「カヤバ珈琲」も、行ってみたいところの一つ
です。
夏目漱石は、うつ病のとき、いっとき鎌倉円覚寺に滞在してました。
鎌倉には文豪にまつわるお話が、たくさんありますね。(^-^)


Commented by aozoracafe123 at 2017-07-16 10:24
おはようございます☆
そういえば、雪国とか伊豆の踊子、
読んだことないし、ストーリーもしらないです(笑)
こういう文学も読んでみないとダメですね。
図書館で借りてきます!
Commented by ukico32744 at 2017-07-17 11:18
> かっきーさん、
夏の暑い日にビール片手に、まどろみながら読書もいいですね。
ホントにまどろんで、寝てしまってはダメですけどね(笑)
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