2017年 04月 16日 ( 1 )

ある日の読書『アンマーとぼくら』

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『アンマーとぼくら』 有川 浩


休暇で沖縄に帰って来たリョウは、親孝行のため
「おかあさん」と島内を観光する。
1人目のお母さんはリョウが子供の頃に亡くなり、
再婚した父も逝ってしまった。
観光を続けるうち、リョウは何かがおかしいことに気がつく。



かりゆし58の「アンマー」に着想を得たという、この小説は、
去年7月に刊行され、”この時点での最高傑作”と有川さんご自身が語られている。

有川さんといえば「阪急電車」「図書館戦争」「植物図鑑」などなど
次々ヒット作を書き、それらがドラマや映画化されるという人気小説家で、
そのかたが、今までの最高傑作と堂々と仰るのだ。

ご自身の作品に順位をつける小説家は、そうそういらっしゃらないと思うのだけど、
出来上がった作品そのものというより、有川さんがこの小説に向き合ったときの
神がかり的な筆の進み方が、いつもの感覚とは違ったらしい。
そんなインタビュー記事を読んで、そう仰ったことも納得がいったのだ。



お母さんとの三日間の観光は、リョウがおかしいと思うのにつれて、
ワタシたち読者も、何かに気づかされる。
もしかして?
どちらか(お母さんかリョウ)は、もうこの世には存在していないのではないかと。。

お母さんとリョウの思い出を辿る観光は、楽しさとともに、傷口を開くような哀しみも感じられ
まるで巡礼の旅をしているようなのだ。

この世とあの世のあいまいな境界線で、夢のような旅をしているという感じは
三日目の観光が、終わると共に明らかになる。



読み進んでいくうちに、この小説にはきっと泣かされるだろうなぁ、と思ったのだけど、
期待以上の涙腺ウルウル物語なのだった。




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by ukico32744 | 2017-04-16 18:30 | 半径日常 | Comments(4)