カテゴリ:ある日の読書( 74 )

ある日の読書『もっと、やめてみた。』

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『もっと、やめてみた。』  わたなべ ぽん


鎌倉検定のために、しばらく書店や図書館通いから遠ざかってました。

その間に図書館から「予約取り置きのお知らせ」メールを何通もいただいたのだけど、
キャンセルしたり、予約の一番後ろに回してもらったりと、
本に関しては禁欲的な生活をしてました。


そして、かいき~ん♪♪♪(解禁のことね)

解禁後、図書館からの予約取り置きメール第1号はコレでした↑↓

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コミック作家、わたなべぽんさんの「やめてみた」シリーズ第二弾。

わたなべぽんちゃんの「やめてみた」は今回も取るに足らないものだったりします。

ビニール傘を買うのをやめたり、プチプラアクセをやめてみたということだったり。。

”ふむふむ”というより、”ふ~ん”ってな感じで、拍子抜けの感があったのだけど、
最後の章「生まれ直しの巻」で、鼻がツーンとくるものがありました。

三年かけて歯の治療をしたぽんちゃん。

なぜ、三年もかかったかというと、ぽんちゃんの歯は幼児のころからの虫歯が酷く、
学校の歯科検診時にも、こんな酷い口の中は見たことがないと先生に言われたほど。
それは、自己中心的なぽんちゃんの母親が原因でもあり、
大人になっても恥ずかしくて、ずっと歯科に通うのをためらっていたという。

子供の時に受けた心的ストレスやトラウマが、
大人になっても、その人のココロに暗い影を落として、
そこから抜け出すことは、容易ではないということだ。

だから「生まれ直しの巻き」なのね。

ぽんちゃんは、いろいろなものを辞めることによって徐々に自信がついて、
「自分のマイナス思考」をも止めることに成功したという、
内容なのでした。




ワタシが最近やめたことといえば、
blogを定期的に更新するって決めたことを止めたことや、
ずっと観てきたNHKの「朝ドラ」、ほぼ習慣化してたのだけど、
今回のはあまりに興味が失せて、観るのを止めたこと。

こんな小さなことでも、止めたらスッキリして、小さな余裕さえできたりするものなのね。


あと年賀状。。

これは止めてみたいけれど、世間常識上、止める勇気もなく。。(^^;

しかし、毎年印刷年賀状に、近況報告はもちろん「お元気ですか」の一筆もない人。
この人たち(二人いる)に出すのを今年から止めます。

人間関係の自然淘汰。

年賀状一枚の重みを、どう考えるかで、それは自然にやってきます。





今日12/12は、ワタシの誕生日なのですが、
職場(サービス付き高齢者住宅)の一足早いXmas会があり、これから出勤です。

職員や入居者さんの有志で練習した、トーンチャイム演奏をお披露目をして、
その後、Xmasのお食事会です。

こんな誕生日があっても、面白いかもしれないです。



歳月は飛ぶように過ぎていきますね。

「もうそんな歳に!?」と我ながらビックリです(笑)

小じわの増えたおばさん(ワタシ)の中身は、まだまだ成長しきれてないのです。

年齢に追いついていかなければ、と思います。










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by ukico32744 | 2017-12-12 14:43 | ある日の読書 | Trackback

ある日の読書「月の満ち欠け」

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月の満ち欠け  佐藤正午


157回直木賞受賞作です。
芥川賞は新人作家のためにあるけれど、直木賞は新人、ベテラン関係なく選ばれるもの。
佐藤正午さん、デビュー34年目にしての受賞です。

ご本人は、嬉しいことには間違いないでしょうが、この受賞で何かが変わることはなく、
変わると言えば、取材でたくさんの人に会わなければいけないという、
厄介なことが増えたな、くらいなことかもしれません。

北海道大学中退し、いろいろ人生経験踏んで、今は故郷の長崎で執筆をしている佐藤さん。
気難しく、可笑しく、マイペース、そんな印象の作家さんです。

作品を発表する感覚が長いので、”筆を折った!?”が頭によぎるころ、新作が出ますね。





「瑠璃」または「るり」という名の女性が、数人登場するこの作品。

ひとりの「瑠璃」は、結ばれることのない恋人との会話の中で、
「わたしは死んだら生まれ変わって、またあなたの前に現れる。
わたしは月のように死んで生まれ変わるの」
そんなことを言ったのだった。
その一週間後、瑠璃は電車事故で亡くなってしまう。


また、ひとりの「瑠璃」は、7歳になったとき原因不明の高熱後、異変が起こる。
急に大人びた態度になり、昔の流行り歌を口ずさんだり、知り得ないことを語り出す。


樹木のように朽ち果てる最後ではなく、
月の満ち欠けのように、何回も生まれ変わることを強く望んだ瑠璃の魂が、
巻き込まれた人たちの運命を飲み込んでいくようだ。





佐藤氏の作品でなければ、ただの薄気味悪い、ソフトホラー小説に成り下がりそうな、このお話ですが、
見事な心情描写・背景描写に、ただただ引き込まれました。

お盆に一気読みの小説でした。

お盆に読む小説ではないかぁ。。と後から思いましたけどネ。(*_*;





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by ukico32744 | 2017-08-28 20:00 | ある日の読書 | Trackback | Comments(2)

ある日の読書『蜜蜂と遠雷』

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『蜜蜂と遠雷』  恩田陸


2017年、直木賞と本屋大賞をダブル受賞した、この小説、
今年の代表的な一冊になること間違いないでしょう。

本屋さんに行けば、この装丁の本が、うずたかく積まれているのをお見掛けした方も多いはずです。

出版元は「幻冬舎」。
幻冬舎って、割と好きな出版社です。
肩苦しさがなくて、軟派な大衆小説寄りで、文芸ものと一線を引いてる感じが。。
年間ベストセラー№1もあり得るこの本、幻冬舎さんの臨時ボーナスもあるあるじゃない?と思うわけ (笑)



”鳴り物入り”の、この小説、
読む前からの期待感はハンパありません。

そんなハードルもなんらと跨いでしまうのね。



三年に一度の、国際的なピアノコンクールを舞台として、
第1次から3次予選そして本選までを、緻密に描写してますが、
優勝者は誰なのか、というところが全てではないのです。

コンクールに挑戦する4人の若き天才に焦点を当て、
4人のそれまでのストーリーと、コンクールの中でめぐり会い、
それぞれの音楽性を高めていくストーリーが軸になっています。



クラシックの世界に関して、ほぼほぼ無知なワタシでも、
最後の最後まで飽きずに興味深く読みすすめられたのは、
やはり作家さんの腕でしょうか。

構想12年、取材11年、執筆7年。

三年に一度の浜松国際ピアノコンクールを4度取材しながら、
執筆も並行して行ったという恩田さん。

音を文章に表現することは、とても難しいと思うのだけど、
一次予選から本選まで、息抜く間もなく、淀みない音楽表現が続いてます。

恩田さんご本人も、三次予選あたりから、
音に対して、もう書き尽くした感があって、しばらく筆が止まったと仰ってます。

身を粉何して小説を書くって、こういうことなのだと思いました。


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by ukico32744 | 2017-08-13 22:00 | ある日の読書 | Trackback | Comments(2)

ある日の読書『桜風堂ものがたり』

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桜風堂ものがたり  村山 早紀


全国の書店員さんが選ぶ、2017「本屋大賞」にノミネートされた一冊です。

この小説、主人公が書店員なので、全国の書店員さんの熱いラブコールで
本屋大賞かっさらう(言葉悪くてスイマセン)かと思いましたが、
小説を読むことに関しては、作家さんより熟達されていると思われる書店員さんたちの、
お眼鏡には適わなかったようで、大賞には至りませんでした。



読むのに時間がかかりましたねぇ。

読みだすと眠くなる。。
フワフワしたファンタジーな世界観は、現実的なワタシには、
眠りを誘う安眠小説のようでした。





書店も好きだし、その中で働く書店員さんにも興味があって、
この小説読むのを楽しみにしてたのですが、
あまりにファンタジー調過ぎました。

リアルな現場感があまり伝わってこないのです。






図書館の返却期限前日に、残り3分の1を読み流しました。
ワタシにしては、ちょっと乱暴な読み方でした。(^^;


人気本だけに、この小説大好きなかたも、たくさんいらっしゃるはず。
小説も嗜好品で、人それぞれですよねー。



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by ukico32744 | 2017-07-30 11:24 | ある日の読書 | Trackback | Comments(6)

ある日の読書『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』

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わたしたちは銀のフォークと薬を手にして  島本理生




独身時代に、美味しく楽しく食事できる相手って、貴重な存在だと思う。

ましてやそれが異性であったなら、それも独身同志であったなら、
恋愛関係になって当然と言えるかな。



主人公知世にも、そんな人がいる。
仕事で知り合った、けっこう年上のバツイチの椎名さん。

やがて恋人になり、その延長線で結婚への流れは、ごく自然な成り行きなのだけど、
彼はいつ発症するかわからない、爆弾を抱えていたのだ。

この小説、アラサーの恋愛模様と一言で語ってしまうほど、軽い小説ではないのでした。



小説は知世のほか、知世の友達「まな」と「ますみ」、
そして、知世の妹の専業主婦の「知夏」の三人のショートストーリーも交え、展開していきます。

かけがえのない恋人や、有能なビジネススキル。安定した家庭。

傍から見ると、不自由のない彼女たちが、
心の中の不協和音に苦しんでいたりする。

未来予想図のピースが1つ2つ足りなくて、描くことができない彼女たち。

知世はひたむきに真剣に、足りないピースを模索し、椎名さんとの関係の結論を出す。



小説のタイトルは意味不明であったけど、
これまたピースがキレイにはまって、小説を読み終えるころに、コクリと呑み込める。

各章のサブタイトルのつけかたも、ちょっと変わってて可愛いし、
女子が好きそうな小説ね。




島本理生さんの代表作「ナラタージュ」、
今秋、とうとう映画になりますね。

かつての教え子と高校教師の、不滅の恋愛小説です。

有村架純と松本潤で。。

まつじゅんに異議あり!
(まつじゅんファンのかたゴメンナサイ)

そこは高橋一生でしょ!?
(あくまでも個人的見解ですから💦)










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by ukico32744 | 2017-07-21 16:57 | ある日の読書 | Trackback | Comments(10)

ある日の読書『山の音』

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山の音  川端康成


鎌倉在住の知人が今年、「公益財団法人川端康成記念会」の理事に就任しました。
就任になられた記念に、川端康成ものを一冊読んでみました。

川端康成は、没年まで鎌倉長谷に居住し、「山の音」はじめ、
多くの作品の中で、鎌倉を描きました。
日本初のノーベル文学賞受賞であり、初の鎌倉名誉市民です。

日本を代表する小説家ですが、ワタシはまともに「川端康成」を読んだ記憶がありません。
「雪国」や「伊豆の踊子」は、あまりに有名で、
読まなくてもある程度のストーリーは、誰もが知っているというものです。




「山の音」の主人公は62才の男性。

けっして良いとはいえない体調や、ときどき現れるもの忘れ。
かつての同僚や学生時代の同期の訃報も多く、
漠然と死への不安を抱えている。

長男夫婦と同居。
長女は子供を連れて出戻り、家族が7人となる。
お嫁さんの菊子さんを、娘よりもを可愛がっている。

戦後まもなくの話なので、今から6、70年前のことではあるけれど、
62才の「老人化」が、現代と比べて甚だしいのだ。
あのころの平均寿命は何才なのだろう。
すっかり終活気分の主人公である。

中盤まで「なんかつまんないな」と、なかなかページも進まなかったけれど、
次第に、じわじわ沁みてきます。
家族それぞれのいびつな心理描写が、面白くなってなってくるから、あら不思議。

ワタシごときを、読後に「う~む。」と唸らせることなど、
川端先生には、赤子の手をひねるようなものでしょうけれど。(笑)



この文庫を読むのに時間がかかったのは、文字の小ささもありました。

図書館で借りた新潮文庫は昭和55年に出版されたもので、
文字は小さいは行間は狭いは、紙は黄ばんでるはで、
今の文庫と比べると、けた外れに読みづらいのです。

ちょっと調べてみたのですが、

現在の新潮文庫が使用している文字は、
9.25ポイント。
文庫でも文字の小ささは気にならず、読みやすいですよね~。

昭和57年までは、8ポイントが標準で、
なんと90年前に至っては、7.5ポイントという小ささ。

先代の人たちは、それが「当たり前」とはいえ、
本を読むにも、一苦労だったと思うと、頭が下がりますね。



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黄ばんで、年代を感じる「山の音」

今書店に置いてる新潮文庫と比べてみると、その小ささにビックリしますよ (@_@)



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by ukico32744 | 2017-07-12 18:00 | ある日の読書 | Trackback | Comments(10)

ある日の読書『海街diary8 恋と巡礼』

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海街diary8 「恋と巡礼」 吉田秋生


「海街diary」は、毎回かかさずに買って読んでるほど好きです。

発売が不定期につき、チェックがかかせませんが、
今年はすでに4月に発売になってました。



「海街diary」は鎌倉に住む4姉妹のお話。

2015年に映画化されてるので、ご存じなかたもいらっしゃるでしょう。

あの映画から、四姉妹の時は刻々と進んでいます。

歩む方向も、恋の行く末も、それぞれに。。





今日も暑かったですね~。

「もわもわ」な暑さの中、車を運転してると、行く先に「逃げ水」が現れました。

気温が高くて、地面が熱せられた時に起きる「逃げ水」現象。

北海道は真っ直ぐな道が多いだけ、逃げ水現象が見られる機会が多いのかもしれませんね。



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by ukico32744 | 2017-07-08 18:20 | ある日の読書 | Trackback | Comments(8)

ある日の読書『にじいろガーデン』

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にじいろガーデン  小川 糸


逃げるように駆け落ちをした女性二人には、男の子と女の子、二人の子供がいた。

落ち着いた先は緑豊かな村。
二人はここを「マチュピチュ村」と名付け、二人の家にレインボーフラッグをかける。

レインボーフラッグは、性的少数派を象徴する旗なのだ。

四人家族の小さな王国のような家庭が、マチュピチュ村で少しずつ受け入れられるようになり、
やがて小さな王国は、人が集まるゲストハウスになった。





哀しいほどピュアな四人家族である。

四人それぞれに幸せになってほしいな、と願いつつ、
そうならないのかも。。とも思いながら読んでいた。

ピュアすぎて幸せになれないことって、あるのだと思う。

四章に分かれてる、この小説の最後の章は
「エピローグ、じゃなくて、これから」

家族がバラバラになっても、存在を感じ絆を信じ、強く生きていこう!
というメッセージが盛り盛り溢れていて、
糸さんらしいエンディングである。





ナイーブな題材を、糸さん風に、ファンタジーでくるんで仕上げた小説でした。


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by ukico32744 | 2017-07-04 15:55 | ある日の読書 | Trackback | Comments(6)

ある日の読書『そして生活はつづく』

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『そして生活はつづく』 星野 源

星野源って、いたってフツーじゃないですか。
コンビニでアルバイトしてる人にも、星野源みたいな人、いるじゃないですか。
フツーだけど大人気じゃないですか。

シンガーでもあり、俳優でもあり、文筆業だってそつなく熟しちゃう。
そんなマルチな彼だけど、彼にだって素晴らしくもないフツーの日常がある。

そんな彼の冴えない部分を暴露して、こんな僕もアリですか?とね、

「アルとも‼」

ファンの声が、やんややんや聞こえてきそう。(笑)





「なにげない日常の中に素晴らしいものがある」
ドヤ顔でそんなこと言う人は苦手です。
「なにげない日常」の中には「なにげない日常」しかない。
素晴らしいものなんてない。
その中から、素晴らしさ、面白さを見出すには、努力と根性がいります。
黙っていても日常は面白くなってはくれない。
見つめ直し、向き合って、物事を拡大し、新しい解釈を加えて、
日常を改めて制作していかなきゃならない。
毎日を面白くするのは自分だし、それをやるには必死にならなきゃ何の意味もない。


これ、文庫のあとがきに星野君が書いてた文章ですが、
なるほどな~と、妙に感心してしまいました。

毎日がハッピーでも特別でもなく、
ていねいな暮らしは夢だけど、そんなの一朝一夕でできるものではないことも知っている。
ひとりでいる時間が好き。
なので、話題が多方面に広がらない。
そんなワタシがblogを書いてる不思議さがある。

こんな生活を見つめて、向き合って、物事を拡大してblog書いてます。
ちょっと、一生懸命に。。(^^;









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by ukico32744 | 2017-06-23 19:16 | ある日の読書 | Trackback | Comments(10)

ある日の読書『ときをためる暮らし それから』

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『ひでこさんのたからもの』『あしたも、こはるびより』は
つばた英子さん、つばたしゅういちさんご夫婦の暮らしのことを書いた本です。

丸太小屋を建て、木を植え、田畑を耕して40年。
雑木林とキッチンガーデンに囲まれた、それは二人の「ワンダーランド」です。

地に足がしっかり根付いたような、気骨な暮らしぶりの中に、
こまやかな工夫や遊びごごろも混ぜ合わせ、
手間ひまをかけることには手を抜かないお二人。

お二人の日々の営みは 例えて言うなら、
ハリがあってサラサラした感じがする、上質のコットン地のようです。


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そういえば、ひでこさん、毎日白いテーブルクロスを取り換えてるそうです。
洗濯をして、クロスには、必ずアイロンをかけて。。

洗濯はしゅういちさんが引き受けてくれていたそうだけど、
しゅういちさんは、2015年6月に、90才で亡くなりました。

『ふたりからひとり ときをためる暮らし それから』は、
しゅういちさんが亡くなって、ひとりになった英子さんの聞き語りの本です。

この本が、実にいいのです。

パートナーがいなくなった淋しさ。。
そういうことは、あまり語ってないのです。

そのままに受け止めて、ひとりの暮らしをまた紡いでいくという、ひでこさんなのでした。






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by ukico32744 | 2017-06-20 16:21 | ある日の読書 | Trackback | Comments(16)