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ある日の読書『千の扉』

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千の扉   柴崎友香


新宿の街の中にある広大な都営団地。
老朽化、高齢化した団地は、何千の人が住むというのに、
人の気配を消したように静かだ。
「千の扉」は、その団地の重い鉄の扉。



千歳は、たいして親しくもない一俊にプロポーズされ、
広大な都営団地の一室に住むことになった。
その部屋で、一人暮らしをしていた一俊の祖父から、
千歳は人捜しを頼まれる。

のらりくらりの千歳の人捜しは、いろいろな人の人生をかすりながら、
往きつくところに往きついたのだった。



自分が日々思ってることは、取るに足らないことで、
他人に話すまででないことがほとんどだ。

実は、その取るに足らないことが、自分の心の核の部分だったりする。

この小説の登場人物は、おしなべて皆そうである。

家族だから友人だから、何もかも洗いざらい話すものとは限らない。
だからこそ、あえて話さないという場合もあるのだ。

この小説に出てくる、自分表現がヘタな、ちょっと可笑しく悲しい人たちの、
心情がとてもよくわかる。

わたしもそうだから。



好き嫌いのふり幅が、かなり大きな小説と思う。

70年という歳月の時間軸が、あっちこっちと飛んでるので、
内容がつかめるまで手こずったりもする。

でも、わたしはかなり「好き」なほうに入る小説です。

主人公千歳の、のらりくらりの具合が好ましくて、
途切れ途切れの話が繋がっていく後半は、もう好き過ぎるくらい。



柴崎友香さん、ググってみると2014年の芥川賞を取られていた。

俄然、このかたの小説を読みたくなったものよ。!(^^)!







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by ukico32744 | 2018-02-15 22:15 | ある日の読書 | Trackback | Comments(12)
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Commented by 01914383i53678 at 2018-02-16 08:37
おはようございます。

表装にググっと惹きつけられました。
扉の向こうは何を意味するのか。
柴崎友香さん、まだ経験のない作家さんです。
わたしも、俄然興味が湧いて来ましたよ!
Commented by M at 2018-02-16 09:25 x
う〜ん、ukicoさんは、実にいろいろなタイプの小説や本を読まれていますね。
新宿の団地が舞台なんですね。
私が20歳で新卒で働き初めたデザイン事務所が西新宿で、都庁のすぐ近くのマンション。
新宿と聞いて懐かしくなりました!もう、28年前のことですけどね。
この話、私も好きだと思います!人間模様が描かれているのが、結構好きですね。
Commented by ukico32744 at 2018-02-16 16:40
> ちぃさん、
柴崎さんの小説は、生ぬるい風のような、つかみどころがないというか、
最初から最後まで一本調子。
なので、好きじゃない人も、けっこういるかもしれません。
でも、言わんとしてることが、わたしいはビンビン伝わってきました。
きっと、波長が合うのでしょうね。(^-^)

ジャケ買いもあるなら、装丁買いもありますよねー。

Commented by ukico32744 at 2018-02-16 16:50
> Mさん、
新宿のど真ん中にあるのに、そこだけ取り残された感のある
大規模団地が舞台になりますが、実在か架空か不明です。
Mさんも、新宿のど真ん中で働いていらっしゃったのですね!
28年前だと、バブルのころかしら。
ワンレン、ボディコンが流行ったころですねー。

う~む、Mさんにはこの小説、気に入っていただけるか、若干不安を感じます(^^;
でも、ラストがとてもいいのです。
映画を観てるようでした。
Commented by sakae2009 at 2018-02-16 20:57
柴咲友香初めて聞く名前です。
最近いろんな本読まれていますね。
今の本あまり知りません。
Commented by M at 2018-02-17 07:03 x
そうそう、まさに28年前のバブル真っ最中の時の新卒入社ですよ。
初任給やお給料がすごく高くて良かったですよ。
そして、広告業、グラフィック関係は、最盛期でした。
イラストも仕事にしてたので、バンバン仕事が入ってきて、毎日徹夜でした!
Commented by kojiroumam123 at 2018-02-17 09:55
新宿の街の中にある広大な都営団地!
幼いころから見てた あの団地のことかな?
覚えてます!「外山ハイツ」「外山団地」って言ってました!
学生の時は新宿まで通ってましたから、山の手線に乗ると見えましたね~!
今でもあるはず!実在しましたよ!
Commented by ejichan555 at 2018-02-17 10:38
オリンピックが終わったら、たまっていた本を読むことにしていますが、DVDもたまっているので、どうしようかなと。
でも、この本は読んで観たくなります。
Commented by ukico32744 at 2018-02-17 17:00
> sakaeさん、
今少し眼精疲労気味で、何も読んでないのです。
オリンピックも始まったので、ちょっとの間お休みしようかな~と。。
今や芸能人も小説書く時代です。
わたしも知らない人たくさんいますよ(^^;
Commented by ukico32744 at 2018-02-17 17:09
> Mさん、
充実した時代でしたねー。
東京のバブル景気は凄かったでしょうね。
夜、一万円札振りかざして、タクシーつかまえた、なんて話もよく聞きますものね。
わたしはと云えば、なりふり構わずの子育て時代でした~💦

Commented by ukico32744 at 2018-02-17 17:17
> こじろうママさん、
へぇ~、実際にこういう団地があるのですね!
高低差のある団地の中の高い所から、新宿の超高層ビルが見えると書いてます。
山手線のことも。。
描写がとても具体的なので、実在の団地かしら?とも思ったものです。
こじろうママさん、貴重な証言?をありがとう♪
Commented by ukico32744 at 2018-02-17 17:23
> エジちゃんさん、
今は最優先でオリンピックですよね~⤴
わたしも、今ちょうど図書館で借りる本が途切れて、眼精疲労もあるので、
読書は少しお休みしてるところです。
この本は「琴線にふれる」か「退屈」かの二択ですヨ。
読んでみますか?(笑)
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