人気ブログランキング |
NEW POST

ある日の読書『平成くん、さようなら』

f0315332_17175504.jpg

平成くん、さようなら  古市憲寿
                                          

2016年8月8日、「象徴としてのお勤めについて」というビデオメッセージが公開され、
平成の時代が終わることが決まった。
1989年1月8日生まれの平成(ひとなり)くんは、安楽死をしたいと恋人に告げる。
「僕はもう終わった人間だと思うんだ」と。
                                        
「あと一年くらいで平成が終わるということもあって、最近の僕は忙しい。
平成を振り返るテレビ番組や出版物が多いからね。
でも、平成が終わった瞬間から僕は間違いなく古い人間になってしまう。
もはや新しい人ではなくなる。

時代を背負った人間は必ず古くなっちゃうんだよ。」
                                          
文化人としてメディアで活躍している平成(ひとなり)くん。
「平成」という名が、平成くんの華々しい成功の一端を担っているのは間違いなく、
時代を象徴するかのようにも扱われている。
胸中複雑な平成くんの気持ちを汲んだとしても
いきなり「安楽死」とは。
                                       
この小説、現代社会が実にリアルに描かれている。
とはいっても、ハイグレードな生活を謳歌してる平成くんと恋人のリッチな感覚は
わたしには遠い国のおとぎ話のようだけど。(^^;)
ただ一つ、決定的に違うのは、この小説の中の現代日本では
合法的に安楽死が認められているということ。
                                                                                                               
まさに今の社会を描いているのに、どこか近未来的で、現実感が乏しいのは、
「安楽死」が、現実の社会通念とは真逆なくらい
肯定的に受け止められているというところか。
己の死を受け止めるのも「自己責任」でというのは、
ある意味、ヒンヤリする感じもするけれど。
                                        
小説のラストは、2019年4月末。
あと数時間で平成が終わるという時。
その場に平成くんは存在していたのだろうか。。 
                                     
小説にも「旬」があるとしたら、「平成くん、さようなら」は、
丁度今、美味しさマックスの旬の読み物だ。
「旬」の範囲がかなり狭まる読み物だけに、話題先行の感じも否めないけれど、
直近の芥川賞候補にもノミネートされたので、(惜しくも落選)、
純文学作品としても「イケる小説」と思います。  
                                        
                                        

”平成最後の○○”聞くと、聞きすぎてなんかうんざり。
令和になると”令和で初めての○○”をたくさん聞かされるんだろーなー。 
元号フィーバーで踊らされてるわたしたち。
粛々と淡々と受け入れようね。
                                                                      


トラックバックURL : https://ukico32744.exblog.jp/tb/30550335
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented at 2019-04-20 06:58
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by M at 2019-04-20 07:01 x
平成と書いてひとなりと言う名前なんですね。
安楽死ですかぁ。装丁が幻想的ですね。
イケる小説!読んでみたいです!

確かに平成最後のと言うのは、もう、聞き飽きた!
確かにうんざりしていますね。もう、いいですよね。
令和になると令和元年にとかほんと、初とかたくさん聞かされるの嫌ですね。

18日にお昼ごろから気温が上がって20度行きましたよ!
稚内では4月に20度は滅多にないです!
Commented by ukico32744 at 2019-04-20 16:06
> 鍵コメさん、
元号が変わるこの狭間の時期、過去にはなかったことなので、
おめでたい気分も無いことは無いのですけど、何かにつけて
平成最後の…は、やりすぎと思っています。
知らぬ間に見えない糸で操られてますね、わたしたちは(笑)

Commented by ukico32744 at 2019-04-20 16:19
> Mさん、
タイムリーな小説でしょ?
面白いとも、感動したとも違う感じで、
一言でいうなら「イケてる小説」だな、って思いました。

新元号が先にわかってしまう、というのも善し悪しですね。
なんか今は元号の「狭間」でみんな浮足立ってる感じ。
10連休も控えてますしね。
この10連休だって、やったー!バンザーイ!って喜んでる人は
意外に少ないでしょ。

稚内20℃は凄いですね!
ソフトクリーム🍦食べたくなる陽気ですね。
Commented by sakae2009 at 2019-04-20 20:50
平成最後、終わりという言葉よく聞きますね。
もう少したてば令和という言葉よく聞くと思います。
それに10連休という言葉も聞きますね。
我が家は10連休関係ないです。
Commented by yoppyhyakka at 2019-04-21 07:25
もうどこ行っても新元号やら平成さようならの
イベント特集やってるわよね。
うちの周りでも新元号は何になるかって
当てましょう!ってのをしてたけど
「和」の字がつくとは予想してなかったわ〜
ここで産まれてくる子は
令子ちゃんとか和子ちゃんとかつけるんかな
と思ったけど
それは昭和生まれの私の発想( ̄(工) ̄)
絶対ありえへんよね。
Commented by kojiroumam123 at 2019-04-21 09:40
古市憲寿さん、TVでよく見かけますね。
言動に賛否両論ある中で、あれだけ言いたいことを言っても、
なんだか憎めない所があるかな?・・と!
ただ、早口で活舌がイマイチなフルイチさん・・
ババは半分くらいしか理解できない💦
Commented by ukico32744 at 2019-04-21 17:43
> sakaeさん、
わたしも仕事柄10連休には無縁です。
それなのに、オットは10連休、娘は帰省するはお客様は来るはで、
いつもよりバタバタすること間違いない!です。(^^;)
新元号にしみじみしてる暇はありませんねぇ。

Commented by ukico32744 at 2019-04-21 17:51
> モモセさん、
へぇ~、新元号当て、モモセさんは考えた?
「和」は「昭和」にもついてるしね、意外といえば意外かな。
「令和」名づけ親のどこかのお偉いさんが、「わたしは違います」といいながら、
匂わせてるの、何か笑える。言っちゃえばいいのにね。
「令和」って読み方が違うけど、そういう字の名前のかたいらっしゃるみたいね。
何かにつけて注目されるのよね。これから…。
Commented by ukico32744 at 2019-04-21 17:56
> こじろうママさん、
古市さんて、朝のワイドショーのコメンテーターしてるんですってね⁉
古市さんとこの小説の主人公平成くんをシンクロさせて読んでるかたも
いるみたいですよ。
けっこう毒舌なんでしょ?
そっか、滑舌がイマイチぐらいが何言っても憎めなくていいですね。
それも計算か⁉(笑)

Commented by purikitirox at 2019-04-25 22:34
こちらが古市君の小説ですね。
読んでみたい!!きっと読みます💛

私も聞き飽きました、平成最後の・・・・笑
Commented by ukico32744 at 2019-04-26 16:40
> NOEMIさん、
古市くん、ってわたしも云わせてもらいますね(笑)
ワイドショーのコメンテーターをされているのを知って
この間見てみましたが、なかなか「辛辣」コメでしたね。
「誰の味方でもありません」という新書、面白そうです。
名前
URL
削除用パスワード
by ukico32744 | 2019-04-19 23:30 | ある日の読書 | Trackback | Comments(12)

見たり読んだり感じたり。。思いのままに綴る日々の雑記帳です


by ukico
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31