2018年 04月 17日 ( 1 )

ある日の読書『海馬の尻尾』

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海馬の尻尾  荻原 浩


タイトルから、ストーリーがまったく想像できないのですけど、
「海馬」とは、脳の器官のひとつで、記憶や学習能力に関わる器官だそうです。


主人公はアルコール依存症のヤクザ。
恐怖の概念が自他ともに薄く、良心のかけらもない「反社会性パーソナリティ障害」と診断される。

恐怖心、良心とも無い人なので、とにかく攻撃的で破滅型。
組の頭(カシラ)からも、クレージーぶりを指摘されるほど。

この障害を治すために病院施設に収容されるのは、表向きの理由で、
実は追手から身を隠すためのものだった。

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前半は、アウトレイジさながらの暴力シーンが、次々飛び出して、読む気が失せるけれど、
荻原浩さんの書く小説には、奇抜などんでん返しがあると信じて読み進む。

荻原浩さん、いろんなジャンルの小説をお書きになってますが、
わたしは、このかたのアットホーム的な小説ばかり読んでいたので、
この小説のストーリーには度肝を抜かれました。


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一目見て「極道」だとわかる主人公には、誰一人寄りつく者がいないし、
寄り付かせないオーラをギンギンに出しているので、
心を許せる相手など、ひとりもいない。

そんな彼の前に、染色体異常の「ウィリアムズ症候群」の、小さな女の子が現れる。
主人公とは別な意味で「恐怖の概念」がなく、他人への共感度が高いがゆえに、偏見や警戒心が希薄。

彼は収容所で、初めて心を許せる人に出合う。


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ラスト、こうなってほしいと願うことが、裏切られる。

すっごく怖いけど、すこし可笑しく、そして悲しい小説でした。



~おまけ~

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sakaeさん、パイの実シロノワール味、見つけましたよ! (^-^)


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by ukico32744 | 2018-04-17 18:08 | ある日の読書 | Trackback | Comments(16)