2018年 04月 25日 ( 1 )

ある日の読書『砂上』

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砂上  桜木紫乃


桜木紫乃さんは、北海道江別市在住の小説家です。
江別はわたしの住む町の隣り町です。
直木賞も受賞された人気作家さんと、イオンなんかでバッタリ会ったらどうしよう。。
ありそうで、なさそうな「たられば」。(^^;

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舞台は江別市。主人公令央(れお)は江別駅前のビストロエドナで細々と働いている。
文章を書くことがだけが、自分の存在価値であるかのように、
情熱や野心を押し殺して、書きながら日々が淡々と鬱々と過ぎてゆく。

その主人公の前に、ひとりの女性編集者が現れる。
編集者は令央が出版社に投稿したものを全て読んでいた。
そして
「主体性のなさって、文章にでますよね」と。

冷徹な編集者が、令央の心の奥に眠っている何かに灯を付けた。

令央は、母が墓場へ持っていったある秘密を書く決心をする。

「読んだ人が本当かもしれないと思う嘘をつけ」

編集者は、とことん令央を追い詰めてゆく。


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小説の背景は、隣り町江別。
ビストロエドナも実在するお店です。

タイトル「砂上」は、静岡の中田島砂丘のこと。
桜木さんが実際2回足を運んで、物語の核となる場所にしたという。

リアルとフィクションが混同して、主人公令央と桜木紫乃さんが重なって見えてくる。

これは私小説?

桜木さん自身が葛藤しながら物語を生み出す姿を、主人公玲央に投影しているんだ。
そう信じてしまう迫力が、この小説にはあるんです。

リアルな虚構のストーリーに、気持ち良く騙されながら、少しの間没頭しました。






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by ukico32744 | 2018-04-25 18:14 | ある日の読書 | Trackback | Comments(14)