2018年 08月 03日 ( 1 )

ある日の読書『風は西から』

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風は西から  村山由佳


村山由佳さんものは、超久しぶり。
新聞の書評を読んで、図書館に予約した。

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大手居酒屋チェーンに勤める健介と食品会社の営業職千秋は、大学時代からの恋人だ。
健介は本社勤務から、都内有数の売り上げを誇る居酒屋の店長に配属される。
健介の苛酷な激務の始まりだった。
そして、三か月後、健介は最愛の千秋や両親に、何も遺さずアパートから飛び降りる。
真面目で一生懸命になればなるほど、企業にその気持ちをとことん利用されて、
全部まとめて仇で返されたのだ。
過労自死に間違いなかった。

ここまでが、小説の折り返し地点。
会社に傾倒し、社長に心酔し、明るく意欲に燃えていた健介が、心身ともに崩れていくのが、
痛々しくて胸が締め付けられる。

小説の折り返し後半部分は、千秋と、健介の両親が、傷心を抱えながら、健介の名誉を挽回するために、
巨大ブラック企業と戦う様子が書かれている。

数年かかりながら、諦めず、最後に会社に非があることを認めさせるのだ。

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恋愛小説がお得意の村山さんが、硬派な社会派小説を書くと、こういうふうになるかぁ。。
というのが、よくわかる。

お互いを想い合う健介と千秋の心が、とてもキュンキュンしてるのだ。

それだけに、健介が亡くなったあとの、千秋の傷心がいたたまれない。

健介が大好きな奥田民生の曲「風は西から」が、小説のタイトルにもなっている。
ドライブデートでは、いつも二人で口ずさんだという思い出が余りある曲。

この曲が、ラストに小さな奇跡を起こす。

これはもう、恋愛小説家村山さんの、お得意の仕込みに間違いないでしょう。

キュンキュンする社会派小説なのでした。




by ukico32744 | 2018-08-03 18:35 | ある日の読書 | Trackback | Comments(14)